頭皮の脂と薄毛
2023.09.10
「なんだか髪がべたつく・・・」「頭皮が脂っぽい・・・」
このような経験はありませんか?
“毛穴に詰まった皮脂が脱毛の原因”とイメージする方も多いのではないでしょうか?
ここでは皮脂と薄毛の関係についてお伝えいたします。
皮脂は薄毛の原因?
壮年性脱毛症の一因に男性ホルモンの増加があります。男性ホルモンは頭皮の皮脂量を増加させる要因にもなりますので、脱毛と皮脂量には関連がありそうに思えますが、必ずしも「皮脂量が多い=抜け毛になりやすい」ということではありません。
ただし、皮脂が過剰な状態を放置してしまうと頭皮環境が悪化して薄毛につながる恐れがありますので、間接的な関係はあるといえます。
皮脂の働き
頭皮は人体の中でも皮脂腺(皮脂を分泌するところ)が多く、脂っぽくなりやすいところです。
そもそも皮脂とは、皮膚の表面で脂と汗が混ざりあってできた薄い膜で、頭皮を乾燥から守り保護するという大切な役割を担っています。したがって、皮脂そのものは悪者ではありません。
しかし、過剰な皮脂は発毛・育毛の観点では歓迎できません。
理想的な頭皮はやや青白く、透明感のある状態です。黄ばんでいる場合は脂が過剰であり、大量にフケが出る場合は乾燥している状態といえます。
皮脂を放置するとどうなる?
皮膚には誰しも常在菌と呼ばれる細菌が存在しています。細菌といっても病原菌のような怖いものではなく、健康な人であれば問題ないものです。そしてこの常在菌は、頭皮にも存在しています。
シャンプーをせずに皮脂を放置すると、皮脂はこれら細菌の影響で分解されて脂肪酸になります。そして脂肪酸は、屋外で紫外線にさらされると過酸化脂質に変化します。
実はこの過酸化脂質がクセ者で、頭皮の角質とあわさることで脂漏性のフケとなり、脱毛の原因となることがあります。
また脂性の人が何日もシャンプーをしないと、頭皮に余分な皮脂が溜まり、赤くかぶれてしまうこともあります。この症状を「脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)」と呼びます。
脂漏性皮膚炎になるとフケや痒み、脱毛の発生といった症状が出ます。
脂漏性皮膚炎の原因はカビの一種(真菌)です。その原因にあった治療を行わないと症状が慢性化したり、治ったと思っても再発してしまったり、と厄介です。
シャンプーで頭皮を清潔に保つ
では、頭皮を清潔に保つにはどうしたらいいでしょうか。
シャンプーの際に意識すべきポイントは次の通りです。
- 体温より少し温かく感じる温度(37~40℃くらい)のぬるめのお湯で、髪の毛だけでなく頭皮までしっかりなじませてからシャンプーをおこないます。
熱すぎると皮脂を取り過ぎ、頭皮や髪に負担をかけてしまうのでご注意ください。 - シャンプー液の量は、ご使用のシャンプー剤にあわせてご使用ください。
- シャンプー液は直接髪の毛に塗布するのではなく、手のひらで軽く泡立ててから髪になじませるように使用します。
- 指の腹で頭皮全体をやさしくマッサージするように洗います。
- 洗い流す際は、泡が残らないようしっかりすすいでください。生え際などは洗い残しが多い部分になるので意識してすすぐようにしましょう。